2006年03月07日
七人の侍/黒澤明
![]() | 七人の侍(2枚組)<普及版> 三船敏郎;志村喬;稲葉義男;宮口精二;千秋実 黒澤明 東宝 2007-11-09 |
時は戦国時代、貧しい農村を舞台に農民に雇われた七人の侍が野盗と化した野武士達に闘い挑む。
一年にも及ぶ長期撮影期間と一億三千万という当時としては破格の予算で製作された、日本の誇る"世界のクロサワ"の代表作であるとともに、世界の映画史に燦然と輝く最高の娯楽大作。
東宝・昭和29年(1954年)
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複数の作家による共同執筆(黒澤明、小国英雄、橋本忍)によって"観客にストーリーを堪能させる"為に検討し尽くされたシナリオ。知将・勘兵衛役の志村喬の渋く重厚な演技、三船敏郎演じる野生児・菊千代のダイナミズム溢れる迫力、ストイックな剣豪・久蔵役の宮口精二の圧倒的な存在感など、出演者の素晴らしい演技とともに巧みな脚本、黒澤明の演出により"七人の侍"一人一人が見事に描き分けられた人物描写。"完全主義者・黒澤明"が膨大な時間をかけて"光と影のコントラスト"を鮮明に描き出した情感溢れる映像美。農民が侍を雇うという奇想天外な物語の始まりから約3時間半、ユニークな侍選び、暴れん坊・菊千代登場、百姓達との交流、そしてクライマックスである雨中での集団戦闘シーンなど、映画の長さを感じさせないテンポの良いストーリー展開でラストまで観る者をまったく飽きさせることなく一気に見せてしまいます。黒澤明にしか撮り得なかった、日本映画の枠を遥かに越えた大きなスケールを持つ、凄まじいまでのエネルギーをもった映画です。
公開から50年以上の年月を経ても「未だ『七人の侍』を超えるアクション映画は無い」と言っても過言ではないほどの傑作。晩年の黒澤映画しか見た事の無い映画ファンには是非一度は見ていただきたい作品です。『七人の侍』を見ずして娯楽映画は語れません。
[七人の侍 - ストーリー]
時は戦国時代、野党と化した野武士たちが村を襲いにくる。年貢、租役、戦、水飢饉と苦しめられる中、その上野党に麦を盗られれば飢え死にするしかない。百姓たちは野盗から村を守る用心棒として侍を雇うことを決断し、利吉(土屋嘉男)、万造(藤原釜足)、茂助(小杉義男)、与平(左卜全)の四人が侍探しに出かける。なかなか侍を見つけられずに焦る四人だったが、見ず知らずの子供を機転を利かせて助けた勇敢で慈悲深い侍・勘兵衛(志村喬)と出会う。百姓達の途方も無い依頼に最初は躊躇した勘兵衛だったが、利吉たちの精一杯のもてなしと心配りに気付き、村のために働くことを決意。勘兵衛を中心とした侍探しが始まる。
勘兵衛の人徳とユニークな侍選びによって集められた、勘兵衛の片腕となる五郎兵衛(稲葉義男)、勘兵衛とは旧知の七郎次(加東大介)、剣の腕は心もとないが明朗快活な平八(千秋実)、ストイックな剣豪・久蔵(宮口精二)、元服前の若侍・勝四郎(木村功)の6人と、強引に一行に付いて来た、両親を侍に殺された過去と持つ農民の孤児で自称侍の野生児・菊千代(三船敏郎)を合わせた7人が村に向かう。個性的な7人によって村人達も野武士と戦うべく鍛え上げられ、村の防備も固められた。そんな頃、何も知らない野武士達が略奪のために村を襲来する。
*公開から6年後の1960年に『七人の侍』に感動したYul Brynner(ユル・ブリンナー)がアメリカでの映画化の権利を手に入れ、設定を西部劇に置き換えてハリウッドで製作した『荒野の七人』が公開されています。こちらも西部劇としては傑作で、『七人の侍』には遠く及ばないものの、良く出来た第一級の娯楽作品になっています。
*黒澤映画から多大な影響を受けたと公言するSteven Spielberg(スティーヴン・スピルバーグ)が、自らの映画撮影前や映画製作に行き詰まった時に「原点に戻るために必ずこの映画を見る」と発言したことでも有名です。
製作・・・・・・・・・・・・本木荘二郎
監督・・・・・・・・・・・・黒澤明
監督助手・・・・・・・・・・堀川弘通 広沢栄 田実泰良 金子敏 清水勝
脚本・・・・・・・・・・・・黒澤明 橋本忍 小国英雄
撮影・・・・・・・・・・・・中井朝一
音楽・・・・・・・・・・・・早坂文雄
美術・・・・・・・・・・・・松山崇
録音・・・・・・・・・・・・矢野口文雄
菊千代・・・・・・・・・・・三船敏郎
勘兵衛・・・・・・・・・・・志村喬
五郎兵衛・・・・・・・・・・稲葉義男
久蔵・・・・・・・・・・・・宮口精二
平八・・・・・・・・・・・・千秋実
七郎次・・・・・・・・・・・加東大介
勝四郎・・・・・・・・・・・木村功
利吉・・・・・・・・・・・・土屋嘉男
利吉の女房・・・・・・・・・島崎雪子
志乃・・・・・・・・・・・・津島恵子
志乃の父 万造・・・・・・・藤原釜足
茂助・・・・・・・・・・・・小杉義男
与平・・・・・・・・・・・・左卜全
村の長老 儀助・・・・・・・高堂国典
![]() | 七人の侍/羅生門 サントラ 東京混声合唱団 シネ・フィルハーモニック・オーケストラ ビクターエンタテインメント 1991-07-03 |
![]() | 荒野の七人 <特別編> ユル・ブリンナー 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン 2007-01-26 |
- by axis_009
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comments
コレは傑作です!
当然ながらリアルタイムでは見てません。荒野の七人の方をテレビで先に見てます。
始めてみてから長い間「荒野の七人」はかなり好きなウエスタン映画のひとつになってます。でも、白黒だし、古臭そうだし、長いし、と敬遠していた「七人の侍」を遂にレンタルで借りて見てみると、何で今まで見ていなかったのか後悔するほどの出来。「荒野の七人」って、本当に「七人の侍」そっくりに作ってたんですねぇ。傑作です。記事に書かれているとおり3時間以上の長さを気にさせませんね。
黒澤明の絶頂期!
昭和20年代、そして30年代前半ぐらいまでの黒澤明は間違いなく「神」でした。「生きる」「羅生門」「隠し砦の3悪人」「天国と地獄」「用心棒」「椿三十郎」etc,...
以後、いろいろな映画に影響を与えていますが、本家の黒沢映画がやはり面白いですし、現代劇ものは設定や風景が古くなってしまいますが、そんなことはまったく関係なく映画自体は今見ても新鮮。十分に楽しめる映画ばかりなのが凄すぎます。
私が初めて『七人の侍』を見たのは今から20年ぐらい前(と言っても公開された年からすると大分後ですが)なんですが、それ以来20回以上(ビデオや名画座)は見返しています。そろそろDVD買おうかな。
「用心棒」「椿三十郎」
「七人の侍」も凄い映画ですが、この二つも面白かったです。特に「用心棒」は僕の好きな黒澤映画No.1です。三船敏郎はもちろん、仲代達矢がよかった。
この時期の黒沢作品はどれも本当に面白い作品ばかりでした。
この映画を初めて見た時は三船敏郎のスケールの大きさにビックリしました。それまで晩年の三船敏郎しか見たことが無かったのであまりピンと来なかったんですが「これが本当の『世界のミフネ』か!」と。
僕は映画館で見たことが無いんです。ビデオでは何度か見てるんですが…。
三船敏郎も志村喬も良かったけど、久蔵役の宮口精二が一番魅力的でした。
何度、観てもスゴイ!
最初、見た時は、ドロだらけで砦の中の戦闘シーンが印象に残りました。ですが、何度か観ていると、"婆さんが出てくるシーン(水引き小屋みたいな所かな?)"と"旗を上げる所"ですかね、マジにィ凄い。単なる時代劇じゃないですな。黒澤の哲学があります。
はじめまして
先日トラックバック送信させて頂いた者です。
私は黒澤作品といえば「夢」しか
鑑賞したことが無かったのですが
最近、この「七人の侍」を見て、衝撃を受けました。こんなに素晴らしい映画があったとは!
それでは、
トラックバック返して頂いてありがとう御座いました。
光と影のコントラスト♪
初めの場面から釘付けになる作品です。そして人々の表情も「人間ってこんなにも感情豊かなんだ」と再確認するほど生き生きとしています♪長時間と言うのに時を忘れて見入ってしまう作品です♪
「七人の侍」で一番気に入っているのは、菊千代の存在です。
侍たちの堅苦しい演技、村人たちのぎこちない演技、それらは全て菊千代という存在をリアルに見せるための演出なのではと思ってしまいます。